七尾は喉からぽろぽろと宝石が出てくる病気です。進行すると異常に性欲が強くなります。愛する者の皮膚が薬になります。http://t.co/v9OrbvxNNj
この咳が出るようになってから、どれくらいが経ったか。
始めの頃は小金にしかならないクズ石ばかり吐き出していたこの喉も、
今は結構なカラットの宝石をポロポロと出すようになった。
それなりの大きさの石ころを吐きだす痛みと常時消えない異物感、
咳の疲労にぐったりと背中に頭を預ければ、邑伺がチラリと振り向いた。
「……見ろよこれ。結構いいルビーだ。」
吐き出した赤い宝石を人差し指と親指で摘まんで見せる。
それを俺の指の間から盗んだ邑伺は、宝石をまじまじと見つめた。
「…またちょっと大きくなったんやないの」
「かな。…そのうち石詰まって死んだりしてな。」
力なくもふざけて返せば、微妙な表情をした邑伺が立ち上がって腕を掴んだ。
「何だよ?」
「…そろそろ要るやろ。上行こや」
「もう少しでかくなった方が高く売れるんだけどな。」
ぐいと腕を引かれ、抵抗することもなく邑伺に着いて二階へあがる。
この奇病にはどうやら邑伺の皮膚が効くようで、邑伺の苦痛と引き換えに
俺の喉が吐き出すカケラは少しづつ小さくなるのだった。
けれど、それより何より。
この咳が出た頃からか、やたらと強まる欲望の方がが辛くて堪らないのが本音だった。
二階へ上がり、扉が閉まるのと同時に邑伺を壁に押し付けて深く口づける。
無理やり俺を引き剥がした邑伺が呆れたような表情を浮かべた。
「…そっちやないやろ。朝もヤったってのに、ったく…」
「…いいじゃん、俺こっちのがいい。な?」
「それじゃ治ら っ… はぁ……好きにせえや」
俺の無理やりな愛撫に欲情を煽られた邑伺が受け入れの態勢を取る。
噛みすぎて回復が間に合わずに、痕が残ったままの首筋を舐めると
深く噛んで、快感に沈んだ。
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