「んあー……なあゆーし、風呂はいろ」
酔って踊りたくっていた七尾が、「今日は入れさせてやるよ。」と言って強引に上に乗ってから一時間後。
人の腹の上でまで踊りまくった七尾は、途中でそのままぶっ飛んで暫くの仮眠を取っていたが、
邑伺が七尾の体を除けるのを諦めてうとうとしだすと勘付いたように目を覚ましてそう言ったのだった。
「んー…もう朝でええんやないの…」
面倒くさくて、眠りたくて、そう言うも。
「いーから入ろうぜ。ベタベタだろ?かっぴかぴなんぞ」
「お前のせいやし。いつもなっとるし。ねむいー」
最初に互いの手で一回。それから七尾の中に抜かずに二回。
もうそれだけで十分今夜はぐっすり眠れそうなのだから、このまま夢の中に落ちたいのに。
たかだか15分くらいの仮眠ですでに回復しきっている七尾に引き摺られ、結局は風呂場に連れて行かれた。
─シャワーだけ、さっと浴びてさっさと寝よう。
そんな考えはやっぱり甘かったようで。
体を洗っている横で湯船にお湯を貼りだした七尾が、浴槽に何か、何かを注ぐのを見てしまった。
「…お前、今何いれたん」
「あん?にゅーよくざい❤コラーゲン配合でつるつるなるって。それに桃の匂いだし」
「桃なんは別にええけど、……もー完全になんかとぷとぷしとるやん。とろとろやん」
「うん」
「…ローションやろ」
「うん」
「ヤる気やん」
「うん」
「うんちゃうわ」
「Yes」
「」
「何だよ。いいじゃねえか。明日休みだろ?」
「まあそうやけど…」
こうなったらもう押し切られるのは分かっている。嫌という訳でもないし…。まあいいか。
そう結論を出す前にはもう、浴槽の中で子供のようにローションで遊んでいる七尾に引っ張り込まれた。
*******
「ん……は、」
「きもちーか?」
「おん…ええよ」
目を細めて見上げてくる視線は、いつもの快楽に酔いきったものではなく、獣が獲物をしなさだする時のそれのような気がした。
風呂前の三回で遊ぶ余裕を得たらしい七尾は焦らす気満々の緩い愛撫を続けている。
「七…もうええやん。はよ挿れろや」
「欲しい?」
「欲しい」
「俺が?」
「お前が」
「ふふんしょーがねえな」
単純な奴め。
「やっぱやめた」
「なんでや」
今の声が聞こえたのだろうか。
そんなまさか。
「お前一回自分でしたら挿れてやるよ」
「はぁ?」
本当はいれたいくせに、面倒な注文をつけてくる七尾。
もうこのまま上がって寝てやろうかとも思う。
向かい合うようにして七尾に跨っている格好なのだから、思いっきり目の前で致すことになるやん。
逃れてやろうかと腰を浮かす前に、思惑に気づいたのか、そのまま抱き寄せられ、後ろに腕を回された。
「後ろ手伝ってやっから、お前自分で前弄れよ」
「…っ……覚えときや」
言葉を言い終わらないうちから指を突っ込まれてイイところを弄られれば、もう従うしかなくなる。
甘い桃の香りに包まれながら、微かな抵抗も放り投げて、邑伺は快感に溺れることにした。
*******
おまけ会話
「おはよ」
「んー…」
「お前昨日俺が突っ込んでから割とすぐ飛んでたぞ。そんな待ちきれなかったんか?」
「……眠かったんや……もうちょい寝かせろや」
「えー。今日休みだろ?買い物行こうぜ」
「……昨日あのあと何回したんやっけ」
「風呂で?3回かな」
「………何でそんな元気なんやお前は…」
「元気じゃねえよ、腰は痛い」
「…………」
「あ、おい、寝んなし!」
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